エレベーターを構成する部品の中でも、重要な部品の1つである「ロープ」。そもそもロープにはどのような役目・働きがあるのでしょうか。こちらのページでは、ロープの働き・役目や、ロープに錆がついた場合など不具合が起こった場合、どのような危険性があるのかなどについて詳しくご紹介します。
ロープ式エレベーターの場合、人や貨物を乗せる「カゴ」部分をロープで支えています。このロープは、1本でも支えられる丈夫なロープを3本以上使っているため、万が一の場合でも安全性を考慮した設計がされています。エレベーターの法定耐用年数は17年と定められていますが、使用頻度が低い場合でも経年劣化をする部品なので、劣化具合を見ながら交換のタイミングを決めていく必要があります。
ロープが切れる可能性を考慮した設計が施されています。例えば、「非常止め装置」と言われる非常ブレーキは、エレベーター自身の重さを利用してブレーキをかける方法です。また、非常止め装置が効かずに停止できなかった場合にも備えて、エレベーターの最下部に「緩衝器」があるので、エレベーターを受け止めて衝撃を和らげてくれます。
ロープ式エレベーターのロープが切れるというトラブルよりも圧倒的に多いのが、ロープの錆です。錆がついたまま使用を続けていると、錆の影響でロープの強度が低下してしまうため、最悪の場合ロープが破断してしまう可能性があります。このようなトラブルが発生しないためにも、交換目安に該当した場合は速やかに交換をすることでリスクを回避できます。
国土交通省が定める交換目安に該当する場合では、ロープの交換が必要となります。定期点検などで交換タイミングを図りながら、エレベーターリニューアルのタイミングで交換をすると工事も一度で済むので良いでしょう。ロープと最低限の部品のみの交換ができる「制御リニューアル」という方法であれば、コストも工期も抑えられます。
制御リニューアルは、エレベーターの頭脳とも言える制御盤・巻き上げ機・操作盤といった制御システムを中心に、必要最小限の部品のみを交換するリニューアル方法です。制御システム以外にも、メインロープやガバナーロープなどもリニューアル・交換箇所に該当します。最小限のリニューアルなので、連続停止期間は5日ほどで完了できる場合もあります。
ロープ式エレベーターの要とも言えるロープは、しっかりとメンテナンスを行いながら交換時期を見極めていく必要があります。エレベーターの状況にもよりますが、「制御リニューアル」であれば、コストや工期の面でも負担が少なく済みます。