エレベーターのメンテナンスには、法定点検と定期点検があります。これらの点検の違いや、メンテナンスを業者へ委託する場合にはどんな種類のメンテナンス契約があるかなどについて詳しく解説します。
エレベーターの点検方法には、「法定点検」と「定期点検」の2つがあります。それぞれの違いや特徴について詳しく解説します。
法定点検とは、建築基準法で定められている「定期検査報告」を指し、一級建築士、二級建築士、昇降機等検査員のいずれかの検査者による検査を6ヶ月~1年毎に行います。点検項目は国土交通大臣が定める基準に適合しているかを検査します。
定期点検とは、専門の技術者がエレベーターの使用頻度に応じて「異常が無いか」を検査します。保守点検の記録は3年以上保管をする決まりがありますが、法定点検のように検査者や検査項目、検査の頻度は定められていません。
毎月の点検費用を抑えたい方向けのメンテナンスプランで、修理や部品交換が生じた場合はその都度費用が発生します。POG契約の費用相場は、1台につき月額3~4万円台。年間36~48万円ほどです。一方で、フルメンテナンス契約は1台につき月額4万~5万円台で、年間48~60万円ほどとなります。POG契約の方が安く済みますので、毎月のメンテナンス費用を抑えたい方におすすめです。(※)
メンテナンス費用に部品交換や修理費用が含まれた契約です。使用頻度の多いマンションなどの場合、修理回数が増える傾向があるため、フルメンテナンス契約の方がコスト面で負担が少なくなる傾向があります。
法定点検(エレベーターの定期検査報告)は、検査の項目ごとに、「要是正」「重要点点検」「指摘なし」の3つに分かれています。「要是正」と判断された場合は速やかに是正する必要がありますが、これに従わない場合は、罰則規定により罰金の支払い義務が生じる場合があるので注意が必要です。
エレベーターを利用する方が安心・安全に利用できるよう、管理者としてしっかりと保守・点検を行う必要があります。法定点検で「要是正」と判断されないためには、定期的な保守点検がかかせません。利用頻度やコスト面を踏まえて、ぴったりのメンテナンスプランを選択しましょう。